すべての椎間板ヘルニアにはいえませんが、とび出したヘルニアも自然に吸収されるというメカニズムが最近になってわかってきましたので、患者のほとんどが、まず、保存療法を行います。多少乱暴な言い方ですが、保存療法とは、「手術以外の様々な治療を行いながら、自然治癒を待つ」という方法です
急性期には、医師の指示に従い、治療を行います。椎間板ヘルニアでは姿勢に関する注意は大切です。また、日常の生活では椎間板内圧を高める姿勢や動作を、極力避けるようにします。中腰の姿勢や腰椎の前屈、長時間の座った姿勢、車の運転などです。
下肢症状が軽い場合には、気長につき合えば、そのうちによくなる可能性が高いといえます。言いかえれば、椎間板ヘルニアの多くは自然に治るということです。
●自然治癒のメカニズム
最近の研究によると、椎間板ヘルニアのなかでも脊椎の後方の靭帯を破り、脊柱管内に脱出するような大きなものに起こりやすいことがわかってきました。これは脱出したヘルニアの周辺に血管の豊富な肉芽ができ、その中から化学伝達物質やたんばく融解酵素、貧食細胞などが出てヘルニア組織を貧食・吸収してしまうためです。この間3~4カ月で吸収するとともに、MRIでもヘルニア塊が消えていき症状もよくなります。
体の異物があると炎症が起こり、それが痛みを起こしますが、ヘルニア塊を吸収するときにも炎症が起こり、痛みが起こるのです。しいていえば、腰の痛みや坐骨神経痛は、この脱出したヘルニアを吸収してしまおうとする体の力のあらわれなのです。

